nobrin's blog

近未来の教育について発信するよ

ティーチング・マシンの評価

   1960年代初頭にアメリカ社会に急速にティーチング・マシンが普及したにもかからず、1960年代後半には一部の企業や軍の特殊なトレーニングで使われる以外は、学校などの教育機関ではほとんど使われなくなっていた。実のところ、1960年代前半でも、"鳩を教育するように、人間を教育できるのだろうか?"とか、"機械が教師に置き換わることができるのだろうか?"といった批判的な意見がすでに出ていた。このような、ティーティング・マシンの非人間的な側面が、教師からの批判を盛り上げ、また、優良な教材が不足していたことも普及の障害になっていた。
 このような状況の中で、ティーティング・マシン推進派の人々は、当時急速に発展しつつあったコンピュータを利用して、ティーティング・マシンをCAI(Computer Assisted Instruction)として実現しようとした。そして、1960年代には既に重要な2つの初期のCAIシステムが開発されていった。それらは、スタンフォード大学の「IBM 1500 Instructional System」、イリノイ大学の「Programmed Logic for Automatic Teaching Operations (PLATO)」である。しかし、1960年代におけるCAIはまだ大型コンピュータ上のシステムであり、限られた一部の教育機関で利用されていたにすぎない。その後、コンピュータは1970年代~80年代における価格性能比の向上により、パーソナル・コンピュータとして誰でも利用できるようになった結果、CAIが学校・家庭あるいは企業などで活用されるようになっていった。